朱肉についてのアレコレ知識(2) 用途と品質
「スポンジ朱肉」はどれも同じわけではありません。
きちんとしたブランドのものと、100円ショップで買えるものとは品質に大きな違いがあります。それは印影を比べてみると分かります。
用途に合った品質の朱肉を
安ければよいというのではなくて、印鑑を押したときの仕上がりは、朱肉の品質によって左右されますし、品質はやはり値段に比例します。
ですからできるだけきちんとしたブランドのものを買うようにしましょう。
例えば、シヤチハタ速乾朱肉、スーパーエース朱肉(新朝日)、瞬乾朱肉プレミオ(マックス)、速乾朱肉エコノミー(コクヨ)、三菱鉛筆朱肉などは安心して使うことができます。
同じように「練り朱肉」にも価格によって品質の差があります。
大きさにもよりますが、信頼できる品質の練り朱肉だと2000円位はしますし、見る人が見れば分かる高級朱肉は5000円以上します。
品質の他にも用途によって様々な練り朱肉があります。落款用、書画用、公用、証券用、一般文書用などです。
間違って口に入れると危険?
朱肉に含まれる「硫化水銀」は毒性が低いものですので少し舐めてしまったくらいで心配する必要はありません。
しかし朱肉は食べ物ではありませんので幼児が食べてしまわないように幼児の手の届かないところに保管しましょう。
もし幼児が口に入れてしまったら速やかに吐き出させて口の中を洗うようにしましょう。
似て非なるもの
「スポンジ朱肉」と「赤いスタンプ台」は似ているので混同してしまいがちですが、混同してはいけません。
つまり色が似ているからと言って朱肉の代わりに印材をスタンプ台で使用してはいけませんし、ゴム印を朱肉につけてもいけません。
なぜでしょうか?
そもそもの成分が違います。
朱肉は植物性の油が豊富に用いられています。印鑑の印影を長持ちさせるためにできており、印面に乗りやすい粘度になっています。
スタンプ台は紙に染み込みやすく速乾の顔料が使用されており、油に弱いゴム印での使用を目的に作られています。
それでゴム印を朱肉で使うと劣化してしまいます。逆に印材をスタンプ台で使用すると印材を変質させる危険性があります。
ですから印鑑は朱肉、ゴム印はスタンプ台というルールをしっかりと守るようにしましょう。
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印鑑文化はなぜなくならないのか?(1)