見たことない!御璽とか国璽ってどう読むの?

見たことない!御璽とか国璽ってどう読むの?

印鑑の種類の中でも特殊かつ特別といえるのが「璽」と名の付くものです。

 

ほとんどの一般国民はまず一生目にすることがない印鑑および印影でしょう。

 

では御璽および国璽について説明しましょう。

 

世界にたった一つだけ

御璽(ぎょじ)とは、天皇陛下がお持ちの印鑑のことで、世界に一点しか存在しません。そして予備の印は存在しません。

 

代々皇位を継承するときに引き継がれ、今上天皇しか持つことがない極めて特別な印鑑です。

 

「天皇御璽」と彫られた大型の純金製の印で、侍従が二人がかりで押印することになっています。

 

御璽は大きさは三寸(約9.09cm)四方の角印で、重さは約3.55kgあります。一般の印章よりもずっと大きくて重いものだということが分かりますね。

 

事実上は、天皇陛下がご自分で御璽をお使いになられることはないと思われます。

 

親書、詔書、条約、批准書、信任状など国事の重要な文書に用いられています。

 

広い意味で個人の実印のようなものと言えますね。

 

日本という国としての印鑑

国璽(こくじ)というのは、日本の国を表す印鑑で、当然ですがこちらも一点しかありません。そしてこちらも予備の印は存在しません。

 

「大日本国璽」と彫られた金印で、御璽は大きさは三寸(約9.09cm)四方の角印で、重さは約3.5kgあります。大きさ、重さは御璽とほぼ同じです。

 

現在では条約の批准や文化勲章の勲記(勲章を贈る旨を書いた文書)に用いられています。

 

ニュースなどで皇居において天皇陛下から叙勲される様子が映されることがありますが、あの時に手渡されているのが、国璽が押された勲記というわけですね。

 

広い意味では法人の実印、つまり代表者印のようなものと言えるかもしれません。

 

「璽」の意味とは?

 

古代中国の秦の始皇帝のときから皇帝の印鑑のみを「璽」と呼んでいたことに倣って、日本でもその他の「印章」と区別して言うようになったと言われています。

 

御璽の歴史は飛鳥時代にさかのぼります。

 

国璽は明治維新後に定められ、1874年(明治7年)4月に完成しました。以降今日まで改刻されることなく使われています。

 

太平洋戦争のころは政府の指示で子供たちも学校で「ぎょじ」の言葉はばっちり教えられていたそうです。

 

終戦後はそれまでの考え方が大きく見直されるなかで「ぎょじ」も教えられなくなったので、現代のほとんどの若者たちは知らないでしょう。

 

しかしながら、どちらも日本において最も権威のある印鑑であるというのは間違いありませんね。

 

刑法第19章「印章偽造の罪」、刑法第17章「文書偽造の罪」に規定があり、御璽、国璽の偽造した者は有期懲役に処せられるという規定があります。

 

実は外国でも国璽がある?!

 

国璽は諸外国でも使われています。

 

国書、批准書、領事証書など重要な国家文書に押されます

 

中華民国(台湾)の国璽は国民政府が中国を統一した1929年に作成され、それ以降、台湾に移ったあともずっと同じものが使われています。

 

大韓民国の国璽は1949年に初代のものが作られ、現在は5代目のものが使われています。印文はハングルが使われています。

 

西洋では国璽はグレートシール(Great Seal)と呼ばれます。

 

日本などの東洋の国が朱肉を使って押印するのに対し、西洋では溶けた封蝋の上に円盤型の印章を押し付けて印影を作ります。

 

立体的で、東洋の印影とは異なる趣があります。

 

国璽(グレートシール)を使用している国は、イギリスフランスアイルランドカナダアメリカ合衆国です。

 

 

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